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Journal|2020.08.07 Buenos Aires Argentina

外出自粛期。
時が移り変わっていく。ゆっくりと過ぎ去る日々。時刻は光と半影の狭間を行き来する。穏やかで単調な日々は日記と孤独に向き合わせる。この夢は、この長い旋律は夢なのだろうか?
静寂は私に謎かけと疑問を懐かせる。沈黙は鳴り止むことを知らず私を目覚めさせ、歌わせ、吊るされた洋服のように記憶を揺さぶる。
その鏡は言葉を映す。心を静めると、時が異なる視点へと導いてくれる。
待ち望むことには理由があり、私はゆっくりと、その意味を学んでいる。

待つこと

空の中
そこには希望がある
岸の流れを止める
月は通り過ぎ、見つめる
止まることなく、動く

全てがあまりにも静かで
風の中、そよ風の中
確かなその瞳は
時の中で
失われた雲を突き進む

私はどうなるのだろう
この夢の中
再現なく続いていく
あなたはどうなるのだろう
この平穏の中
心が揺り動かされる


言葉

そこにある苦悩
悲嘆
空虚な夕方は
遠くへと運び去る

静寂の中
私はとどまる
水が流れるその場所で
この輪は

私に呼びかけ
奪っていく

穏やかな
魂は
目覚める
羽のような日々が
葉の茂みを持ち上げる
約束は
失われる

魂を呼び覚ます
呼び覚ます
この静寂を
木々の茂った
風景と内側へ
静かに戻っていく
空気の中
そこには希望がある
日々の中で立ち止まる
落ちた葉は
揺られながら夢を見る

月を揺さぶる
子守唄は
希望と別れを
夜に歌う
終わりのない
長い旋律を

Silvia Iriondo
2020.08.07 / Buenos Aires Argentina

──Journal
SPIRAL RECORDSと交流のあるアーティストが、それぞれの場所で、いま考えていることを日記形式で綴る。(不定期更新)

Silvia Iriondo / シルビア・イリオンド
デビュー当時からブラジルの音楽家 エグベルト・ジスモンチをはじめとする多くの著名アーティストに認められ、現在はアルゼンチンのネオ・フォルクローレ・シーンで最も世界性をもつシンガーとしてその名は国内外で知られている。これまでに彼女の作品にはカルロス・アギーレ、フアン・キンテーロ、キケ・シネシ、リリアン・サバ、ハイメ・ロス、マリオ・グッソ、セバシチャン・マッキ、マルコス・カベーサス、ホルヘ・ファンデルモーレなど、各音楽シーンを牽引する最重要人物が参加している。また、シンガーとしての実力だけでなく、アルゼンチン・フォルクローレのパイオニアで民俗音楽研究家/収集家でもあるレダ・バジャダレスをトリビュートした作品などもリリースし、アルゼンチンに深く根ざす文化を再解釈しながら新たな光を当てる活動も行なっている。