NEWS

Journal | 2020.04.22 Minas Gerais Brasil

世界中の多くの人々が喪失を経験している。
いま最も重要な言葉のひとつは「直観」ではないか。

誰もが異常な速さで未来だけを考えていた現代、そこには現在を生きる時間はなかったように思う。そしていま、私たちはやむを得ず停止している。私がこうして書くのもこの機会によるものだろう。
いま、この時間を身体いっぱいに感じ、新鮮な空気を吸い込んで、じっくりと周囲を観察しながら音を知覚することを止めてみる──音楽は感性を研ぎすませる方法の1つだ。

作曲の際のリファレンスのほとんどは自然からのものだ。自然をよく観察して生きる──それは私が毎日試みていることだ。作曲の際、それが鳥の囀りや川の音、あるいは木々を揺らす風とどう相互に作用するかを考える。喧騒が消え静かになった街で、より広範囲に耳をすませることができる機会であると感じている。

私は植物と昆虫に囲まれたとても自然豊かな場所に住んでいる。イモムシ、クモ、コオロギを見るのが特に好きだ。自然界は何も変わっていない。庭で育てている蘭の新しい根、小葉、美しく咲き誇る様子が見られるシーズンはまさに自然からの贈り物と言える。私たちは自然の一部であることを忘れてはいけない。 川、山、野生の生物と共に暮らす術を身につけておく必要があるだろう。

自然が私にインスピレーションを与えるのと同じように、私の音楽を自然へと融合させたいと思っている。

Leandro César
2020.04.22 / Minas Gerais Brasil

──Journal
SPIRAL RECORDSと交流のあるアーティストが、それぞれの場所で、いま考えていることを日記形式で綴る。(不定期更新)

Leandro César/レアンドロ・セーザル
2007年よりオリジナルの楽器の考案と創作を手掛け、ブラジルが世界に誇る創作楽器グループUAKTI(ウアクチ)にビルダーとして関わり、楽器のメンテナンス、音響技術を担当。音楽家としても精力的な活動を展開し、現在は現代音楽や実験音楽に民俗学的視点を交え、ブラジルの楽器音楽の普及と音楽的可能性を探求している。