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Journal | 2020.04.21 São Paulo Brasil

外出を自粛するようになって1ヶ月と少しが経った。
いろいろと学んだ。
音楽はなくてはならない大切なものだと。
立ち止まって、静かに、ひとりでいる時間をもつことの大切さを。

日常的なルーティンのなかで、勉強する時間があることがどれだけ良いものかということも思い出した。
コンスタントに練習すると身体も心も驚くほどに早く吸収する。
瞑想することの意義も知ることができた。
土にさわり、植物の芽生え、そして成長を見守る喜びを身体で感じている。

私の内部と外部のサイクルを観察し、それらに適応することを学びなら、新しく知ることもある。月の満ち欠けのサイクル、私の体調の変化、それらが私の感情に与えるもの。それから、太陽が昇って沈む1日のサイクルも。自然光を最大限に活用して、夜を迎えるとともに私も静かに休む、1日の流れに私の活動を調整することを覚えた。自然と私の1週間のサイクルができて、休む日と、特定の活動を行う人とを分けている。気分が上がっているときも下がっているときも、その気持ちを受け入れることを学び、悲しいときも楽しいときも、それぞれのモーメントの大切さも理解できるようになった。

香りに敏感になり、ラベンダーの香りがどんなに穏やかにしてくれるか身体で感じた。ジャスミンは楽しさを、ローズマリーはエネルギーをもたらす。食べ物、飲み物、音楽、ニュース、映画など消費するものが私にどう影響するのか観察した。そして、体内に取り入れるものを選択することがどれだけ大切なことか。

バーチャルな手段で交換するものは、強力でありえることを知った。驚くほど、これらの手段を通してたくさんのエネルギーが行き交う。一方そのやりとりは度を越すと、逆に私たちからエネルギーを吸い取って、私たちの時間を奪ってしまい、なにも与えてくれないことも。

賢い言葉をいろいろ聞いて、日々それらにふれることに努めた。私たちの周りには、たくさんの知恵が存在しているのだ!
なんだか間違った場所にそれらを探しに行っていたような気がする。もしくは、探し求めに行くことを忘れていたのかもしれない。

すべてのものごとがリンクしているのだと学び、日々学び続けている。私はすべてに属し、すべては私の一部をなす。友人、知人、道ですれ違う人、インターネットで見聞きする人、人に対する見方も変わった。すべての関係の規模が変わり、より人間的で、愛情深く、気取らないものに変わった。もう何も「気取った」ものでなくなった。なんだかいろいろなことが「自動的」になっていて、表面的で、生き急いでいたような気がする。いろいろな過程を経たこの1ヶ月で、そんな状態から脱し、より意識的で存在感のある状態に至った。

再び編み物を始めた。そして、絵を描いて、文章を書くことも。
近所の人たちと知りあい、植物の苗を交換しあったり、道具を貸し借りしたり、いろんな感情や、気持ちのやりとりをした。そういうつながりの愛しさを肌で感じた。
たくさん夢をみた。自分の夢を観察して、そのなかで求められたことをするようにした。

焚き火の、火が燈ったろうそくの、あたたかく、ちゃんと整えられた家の価値を知った。好きなものに囲まれていることの喜び。氣の道のレッスン(それがオンラインでも)。そして記憶、思い出。

美しい音楽をたくさん思い出して、距離ができていた大切なものたちとふたたび繋がることができた。
聴いた音楽それぞれが、異なった大切さを帯びて私に届いた。私が奏でる一つひとつの符(ノート)のように。

先の見えない不安と苦しさ、大変なこの時期、悲しくなるけど、自然が再生し、部分的にかもしれないけど休み、あらたに活性するのも感じる。私にも同じことが起きているのを感じる。

世界はすでに別のものになり、何が次に来るかわからない。でも、確信をもって言えるのは、以前いた場所に再び戻りたいとは思わないということだ。

Joana Queiroz
2020.04.21 / São Paulo Brasil

──Journal
SPIRAL RECORDSと交流のあるアーティストが、それぞれの場所で、いま考えていることを日記形式で綴る。(不定期更新)

Joana Queiroz /ジョアナ・ケイロス

Itiberê Orquestra Famíliaの一員として約10年間活動、3枚のアルバムの録音に参加。Hermeto Pascoalのアルバム«Mundo Verde Esperança»の12曲の録音およびコンサートに参加するなど、キャリアを重ねる。主な活動には、管楽器によるグループ Inventos, Moacir Santosらの作品を再解釈する5人グループQuartabê, Rafael Martiniらが率いるClaras e Crocodilos, Joana Queitoz Quarteto, など。グアルーリョス器楽フェスティバルでは、最優秀演奏者として表彰され、作曲部門でも第3位を受賞。これまでにLiliana Herrero, Carlos Aguirre, Aca Seca Trio, Cecilia Pahl, Simon Gonzalezなどと共演。現在はリオデジャネイロ、ベロ・オリゾンチ、サンパウロの3都市を中心に、アルゼンチン、チリ、ポルトガル、スペイン、フランス、イタリア、アメリカなど世界規模に活動を拡げている。